相続放棄が32万件超で過去最多へ

「負動産」と「黒字倒産」の時代に考える、前向きな手放し方

2025年の相続放棄の件数が前年比約5%増の32万4000件となり、過去最多を更新しました。2015年の約18万9000件と比較すると、この10年間で約7割も急増しています。

かつて「持っていれば安心」と言われた不動産ですが、使い道のない空き家や売れない土地、維持管理や固定資産税の負担が重くのしかかる「負動産」へと姿を変え、次世代が「引き継ぎたくない財産」として放棄を選ぶケースが日常的な光景となりつつあります。
とくに建築基準法や道路交通法が改正されて、今までなら建て直しまたは大幅に修繕し再活用ができた自宅でも、不可能になることも。

さらに昨今、黒字経営でありながら後継者難や事業用不動産の処分に頭を悩ませ、休廃業や黒字倒産を選択せざるを得ない中小企業も後を絶ちません。
一説によると、2025年で倒産企業の財務分析では黒字が35.7%もあったそうです。休廃業・解散企業では黒字が49.1%ととてつもなく高い水準でした。(この数字の扱い方には注意が必要ですけど)。

https://www.facmatch.jp/column/profitable-bankruptcy-rate

そして、一見すると深刻なニュースに思えますが、実はここには「次の世代に重荷を背負わせたくない」「元気なうちに自分の代で片付けておきたい」という、責任感と優しさに満ちた前向きな意思が隠されています。


負動産にしないように

1. 「持っていれば安心」の神話の崩壊と、相続登記の義務化

先ほど書きましたが、地方の実家や郊外の土地、老朽化したアパートなど、「売れない・貸せない・修繕負担だけが続く」不動産が全国で増えています。

かつては家督相続のように長男が一括して引き継ぐ慣習もありましたが、現代は法定相続人全員が権利を意識する時代です。現金と違って簡単に等分できない不動産は、家族間の話し合いをこじらせる最大の原因にもなり得ます。

さらに2024年4月からは「相続登記の義務化」がスタートし、親名義のまま放置しておくことも難しくなりました。こうした環境の変化が、「これ以上家族を困らせたくない」という生前整理への関心を高める大きな要因となっています。

2. 会社と不動産の出口戦略——増える「黒字倒産」への処方箋

不動産の問題は、個人や家庭内だけに留まりません。事業を営んできた多くの中小企業オーナーにとっても切実な課題です。

自社で保有する工場、店舗、倉庫などの事業用不動産は、事業を縮小・廃業しようとしても簡単には売却できません。

  • 昔から持っている物件は帳簿価格が低く、現物売却すると多額の法人税が発生する
  • 法人から個人にお金を移す際にも配当や退職金として二重に課税される
  • テナントや取引先、長年勤めてくれた従業員への配慮から決断できない

こうした要因が重なり、事業自体は黒字であっても後継者が不在のまま立ち往生し、黒字倒産や廃業へと追い込まれてしまうケースが少なくありません。(赤字企業はそもそも赤字体質であるが、世代交代で廃業が望ましいのかは別の話です)。

そこで近年注目を集めているのが、不動産そのものではなく不動産を所有する法人の株式を譲渡する「不動産M&A」という新しい選択肢です。 株式譲渡であれば個人の譲渡益課税(約20%の分離課税)で済むケースが多く、賃貸借契約や従業員の雇用もそのまま引き継ぐことができます。(不動産所有者が企業である条件が必須項目ですが)。

「不動産をどう処分するか」だけでなく、「会社ごと引き継ぐ」という発想を持つことで、事業承継と資産整理の双方をスマートに解決できる時代が訪れています。そうすることで従業員の雇用及びその家族の生活もつながります。その後は残された人たちの条件次第です。

3. 「死に方改革®」で拓く、家族への最高の贈り物

「自分の資産をどう整理するか」という話し合いは、つい先送りにされがちです。その結果、判断能力が低下したり、万が一のことが起きてから子どもたちが途方に暮れるケースが後を絶ちません。

うち(有限会社ワイ・イー・ワイ)が提唱し、同じく明るい終活を目指す一般社団法人ポジティブ終活推進会議とも方向性を共にして進める「死に方改革®」の基本姿勢は、終活を「縁起でもないこと」「タブー」として遠ざけるのではなく、「自分の人生を主体的にデザインし、身の回りを整える明るく爽快な行動」へとパラダイムシフトさせることです。

「相続放棄が過去最多」という数字は、裏を返せば「不要なものを無理に残さない」という選択肢が社会的に認知されてきた証拠でもあります。 大切なのは、残される家族が困惑して手続きに追われるのではなく、親世代が元気なうちに「何を残し、何を手放すか」を家族と笑顔で共有しておくことです。

重荷を削ぎ落とし、身軽になることは、次世代への最大の愛情表現であり、自分自身のこれからの人生を軽やかに楽しむための土台になります。

4. 人生という旅を笑顔で完結させる——「旅のデザイナー®」の視点から

終活とは、「命の終わりを待つ作業」ではありません。
これから続く毎日をいかに心地よく、希望を持って歩んでいくかという「人生の旅のパッキング」です。

スーツケースに重たい石を詰め込んだままでは、どんなに素敵な景色が広がっていても足取りが重くなってしまいます。不要な不動産や事業のしがらみという重荷を下ろし、家族へ温かな感謝と安心を手渡すこと——それこそが、旅の後半戦を最高のものにする秘訣です。

あなた自身の人生という特別な航路をプロデュースできるのは、他の誰でもないあなた自身です。

「旅のデザイナー®」として、ご自身とご家族が心から笑顔になれる、軽やかで希望に満ちた未来をいま一緒にデザインしてみませんか?

最後にひとこと:当社は不動産売買仲介業者でもなければ、税理士や弁護士でもありません。
弁護士法に抵触しないように、弊社顧問の専門の税理士と弁護士を紹介いたしますので、直接なさってください。